日本人のミュシャ趣味の根源ココにあり。http://www.mucha-museum.co.jp/与謝野晶子。
新五千円札の樋口一葉(小説家みたいですな、『たけくらべ』は『ガラスの仮面』で知ってる)と与謝野晶子(歌人らしい)の違いがよくわかんないです。でも与謝野晶子のこの歌がこれだけ、なんだか好き。犬の種類とかチーズの種類とかおにゃん子クラブとかそう、村上春樹がアメリカの州名を覚えるみたいな性癖で、すき。
五月の歌五月は好い月、花の月、芽の月、香の月、色の月、ポプラ、マロニエ、プラタアヌ、つつじ、芍薬、藤、蘇枋、リラ、チュウリップ、罌粟の月、女の服がかろがろと。薄くなる月、恋の月、巻き冠に矢を背負ひ、葵をかざす京人が、馬競べする祭り月、巴里の街の少女等が 花の祭りに美しい 貴な女王を選ぶ月、わたしのことを云うならば シベリアを行き、独逸行き、君を慕うてはるばると その巴里までついた月、菖蒲の太刀の幟とで 去年うまれた四男目の アウギュストをば祝ふ月、狭い書類の窓ごしに 明るい空と棕櫚の木が 馬来の島を想はせる 微風の月、青い月、プラチナ色の雲の月、蜜蜂の月、蝶の月、蟻も蛾となり、金糸雀も 卵を抱く生の月、何やら物に誘られる 官能の月、肉の月、ヴウヴレエ酒の、香料の、踊の、楽の、歌の月、わたしを中に万物が 堅く抱きしめ、縺れ合ひ、呻き、くちづけ、汗をかく 太陽の月、青海の、森の、公園の、噴水の、庭の、屋前の、離亭の月、やれ来た、五月、麦藁で 細い薄手の硝杯から 柘榴水をば吸うやうな あまい眩暈を投げに来た。
だからどうした突然といえば髪を切りたいくもあるし、さわりを一度耳にして、全文知りたく探したしだいで…こんなんRAPだよ。…。『さくら草』与謝野晶子ルビふったの声に出して読みたい日本語にしてみたい日本語。

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